孤高の野心と、
ふっと解けた「封印」
60歳を過ぎた頃、私を突き動かしたのは「世間一般的な成功」への憧れではありませんでした。
もともと私は、群れることや人付き合いが苦手な人間です。フランチャイズ(FC)のような既存の枠組みに乗ることも、誰かの下で働くことも、私の肌には合いませんでした。
私が信じられるのは、これまで心血を注いで学んできたマインドセット、心理学、量子論、そして仏教といった、目に見えない世界の真理だけ。
「この知識を土台に、一般的な起業を凌駕する仕事をしたい」
そんな静かな野心と、20年前に封印した「デイトレ」への衝動が重なり、私は自分に一年間の「審判の刻」を課しました。
デイトレで勝ち残れるのは、一握りの才能がある人間のみ。教育界の頂点を極めた今の自分が、そこに食い込めるのか。
自信と、そして20年前の凄惨な記憶が交錯する中、私の「最後の実験」が始まりました。
2,000万円への「懺悔」と、
日本一への道
20年前、ネット掲示板の熱狂に踊らされ、−2,000万円という莫大な代償を払ったあの日。私は「こんな博打は二度とやってはいけない」と、自らの魂に深く刻み込みました。
それ以来、私は投資の世界から一切目を背け、自分のできることにすべてのエネルギーを注ぎ込みました。それは、自らの塾を「日本一の塾」へと成長させること。その猛烈な仕事ぶりは、2,000万円を失った自分への「懺悔(ざんげ)」だったのかもしれません。
がむしゃらに働き、アイディアを絞り出し、マーケティングやコピーライティング、そしてマインドセットの極意を学び抜く。
気づけば、自分の理念を綴った著書は6冊を数え、メディア出演も多数。私の塾「河原塾」は、全国の塾長が注目する、個人塾の頂点へと登り詰めていました。
2020年の静寂、
そして2024年の「衝動」
投資から離れて十数年。2020年、パンデミックが世界を襲った頃、私は貯金のつもりで、かつて禁断としていた証券会社のサイトへログインし、インデックス投資を始めました。
それはあくまで「貯蓄」であり、自分に「絶対に株式投資はやってはいけない」と言い聞かせながら、静かに数年が過ぎていきました。
しかし2024年、運命の歯車が再び動き出します。
20年経った今、今の自分なら、かつて負けたあの場所を超えられるのではないか。
そんな抑えきれない強い衝動が、封印を突き破りました。再挑戦。しかし現実は、その甘い自信を完膚なきまでに打ち砕く、忘れもしない8/5の「植田ショック」という名の、真夏の暴風雨から始まったのです。
−250万円 20年前の亡霊が、また目の前に現れました。
設立、そして信じた
「プロの手法」の裏切り
「やはり、自分には才能がないのか……」
絶望しかけた私が最後に辿り着いたのが、オプション取引の世界でした。猛勉強の末、プロも使う「デルタヘッジ」という本格的な手法を習得した私は、ついに自分の運用会社「Mindvest Nexus LLC.」を立ち上げます。
不退転の決意で臨んだ法人の門出。数学的な計算に基づいた運用は、短期間で+270万円もの利益を叩き出しました。「これだ。この確かな手法こそが、私の探していた正解だ」。
法人の城を築き、勝利を確信した、まさにその矢先でした。
2025年、「高市相場」という想定外の嵐が、私の築いた城を直撃します。一晩で相場が跳ね上がり、信じていた「プロの盾」は粉々に砕け散りました。
−370万円 「プロの手法を使ってさえ、法人の資産を守れないのか……」
私は出口のない暗闇に迷い込み、今度こそ心の底から途方に暮れました。
霧の中の対話
—— 魔法が生まれた日
異常な相場の中で何をやっても太刀打ちできず、絶望に飲み込まれそうになっていた時のことです。
何気なくこれまでの記録を見返していた私は、ある驚くべき事実に偶然気づきました。他のすべてが崩れ去る中で、たった一つだけ、とても小さく、だが着実に稼ぎ続けていた手法があったのです。
それが、知る人ぞ知る手法、「カレンダースプレッド」でした。
これこそが唯一の生き残りだ。私は確信し、AIという相棒を使い、この手法の弱点を徹底的に洗い出し、改良することから再起を図りました。
そこから、半年間に及ぶ過酷な検証が始まりました。AIにアシストさせながらロジックを磨き上げ、ハルシネーション(AIの嘘)と戦いながら、一つずつルールを確定させていく。
この半年間の泥臭い検証こそが、NyanzMagicの骨組みを鉄壁のものにしました。
外の正解に自分を合わせるのではなく、自分の経験と違和感を信じ、AIを「自分の考えを磨く石」として使う。かつて「日本一の塾」を作る過程で学んだすべての知見が、この検証を経て、投資のロジックと融合したのです。
NyanzMagic
—— 嵐の中、猫のようにどんと構える
Mindvest Nexusは当初、赤字に苦しみましたが、半年間の検証に裏打ちされたNyanzMagicの運用によって、今は「月100万円の利益」という現実を達成しようとしています。
なぜ、猫(Nyanz)の名を冠したのか。それは、私のそばにいる猫たちが嵐の中でもあわてず、どんと構えているからです。彼らは静かに時を待ち、チャンスが来たその瞬間、迷わずに行動します。
合計マイナス2,620万円という凄惨な授業料。それは、私が「外の正解」を捨て、自分の中にある「崩れない魔法」に辿り着くために必要な時間と金額でした。
今の私には、手にした利益以上に、自分の力で法人の舵を握っているという静かな自信があります。
あとがき
あなたの中に眠る「魔法」を信じて
−2,620万円。
このあまりに巨大な数字は、私が自分を信じきれず、外の世界に「正解」を求めて彷徨い続けた、魂の迷路の跡です。
もし今、あなたが立ち止まっているのなら、どうか私の背中を見てください。
60歳を過ぎ、どん底から這い上がった不器用な男が、今、猫のように静かに、けれど力強く自分の城を動かしています。
人生に「手遅れ」なんて言葉はありません。あなたがこれまで流してきた涙も、人知れず積み重ねてきた努力も、そのすべては「あなただけの魔法」を生み出すための素材です。
外にある成功談に、自分を合わせる必要はありません。世の中の喧騒から「断絶」し、自分の「好き」を信じ抜いた先に、あなたを守る魔法が必ず見つかります。
さあ、あなたの物語を始めましょう。嵐の中でも猫のようにどんと構え、自分の足で、新しい未来へ。